歯科検診(小学校)~あごの成長発育について~
20年以上前から小学校の歯科健診をさせて頂いています。いつも沢山の生徒さんの口腔内を診させて頂いていますが、昔に比べて随分虫歯は減っているけれど、年々あごが小さくて、将来歯並びが悪くなりそうな生徒さんがますます増えているなあ~と感じます。
散歩や運動をしないと、足の筋肉も弱くて発達しないように、あごもしっかり噛んで鍛えてあげないと、成長しません。噛む力(咬合力)も強くなりません‼
全国で調査しますと、全体の約3~4割の生徒に歯列不正がみられるというデータが出ています。
なぜ、よく噛むことが大切かと言いますと、よく噛むことにより、あご、そしてあごを動かしている筋肉が、調和のとれた発達をしますので、最近よく話題の「顎関節予防」になります。
また噛むことで「唾液が充分に分泌され、食物の消化を助ける」だけでなく、「虫歯菌の産生する酸を中和する」効果がありますので、口の中の健康を保つことにも役立ちます。
さらに噛むことは、「脳の働きを活性化させる」ことまで解ってきており、よく噛むことが、最近特に重要性をもってきています。
ところが、現在では、ほとんどの食材がやわらかく調理され、栄養価の高いものとなっており、また、やわらかいものを子供たちが好む傾向にありますので、
あまり噛もうとしないばかりか、「噛めない子」が増えてきています。「タコやイカ、固い肉はたべないで吐き出すので困ると言った相談も受けます。」
それから、昔より栄養状態が良くなったせいでしょうか・・・?最近のお子さん、昔より歯が大きくなってきているように思います。断定はできませんが、歯科の情報誌にも、そのようなことが書いてありました。「あごの縮小化に対して、歯が巨大化??」これが本当なら、ますます歯並びの悪いお子さんが増えることになります。