オーラルフレイル👄
オーラルフレイルとは、『お口の中の虚弱』という意味で、フレイルとも大きな関係性があり、
要介護状態、寝たきり状態を早めてしまう重大な原因として、近年とても注目されている概念です。
お口には「食べる」「飲み込む」「息をする」「コミュニケーション」「唾液の分泌」など、
様々な機能がありますが、それらの役割をうまく使いこなせなくなったと感じたら、
オーラルフレイルの前兆です。
お口の機能を衰えさせる主原因である、自分の歯の数と、認知症の関係を調べた研究があります。
認知症の認定を受けていない65歳以上の高齢者を対象に、4年間の観察研究を行い、
性別、年齢、生活習慣に関わらず、自分の歯がほとんど残っておらず、義歯を使っていない群と、
自分の歯が20本以上残っている群を比較したところ、前群の人たちの方が、認知症を発症するリスクが
1.9倍も高いことがわかりました。
なお、自分の歯がなくても、義歯を入れて補っている人は、認知症リスクが4割程度抑えられるという
データも出ています。
また、オーラルフレイルが認められた高齢者は、4年後の身体的フレイル発症リスクが2.4倍、
さらに、要介護リスクが2.4倍、総死亡リスクは2.2倍に跳ね上がるみたいです。
昔、『きんさん&ぎんさん』という、長寿で100歳の可愛らしい双子姉妹のおばあさんがテレビで
一躍有名になりましたが、金さんは早くから歯が無く、銀さんは数本歯が100歳を過ぎても残って
いたので、歯のあった銀さんの方が金さんより数年長生きをしたと言われています。
歯科健診をおろそかにし、40歳代から放置されてきたお口の中は、驚くほど環境が悪化していると
いいます。40~50歳代からオーラルフレイルが始まるとも言われており、その時になって
悔やむ人が非常に多いのです。
高齢者の場合も歯科健診は重要です。
何年も前に作った義歯が合わなくなっているのに、使い続けている人も多いですし、
食べこぼしや噛みにくさを感じているのに、歳のせいだと放置している人もいます。
ちょっとした不調でわざわざ歯科に行くのは億劫だと思いがちですが、
定期的に歯科に行く習慣があれば、ついでに相談ができます。
お口の健康を最重要事項と捉え、自分で自分のお口を守りましょう。