コロナと知覚過敏
近頃、知覚過敏の症状を訴えて来院される患者さんが増えています。
詳しく聞いてみますと、
『コロナが怖いから、ついつい歯磨きをしてしまう。。。のだそう』
そういう患者さんには、
歯ブラシはヘッドが小さめのサイズでやわらかめのソフト毛歯ブラシ
歯磨き粉は研磨剤の入っていない歯磨き粉で、硝酸カリウムや乳酸アルミニウム含有の歯磨き粉をおススメしています。
歯科医院で販売している歯磨き粉は、スーパーやドラッグストアなどで販売されているものに比べると、やや高いのですが、
研磨剤はほとんど入っていないものが多いので、安心して磨くことが出来ますし、その他の含有成分はレベルが高くてグッド!なんですよ。
むし歯予防歯磨きは、フッ素は成人用(1450ppm)、子供用(950ppm)
さらに、歯肉炎、歯周病予防ですと、フッ素だけでなく、歯ぐきへの浸透殺菌力に優れていて、歯ぐきの出血や炎症を抑える効果があります。
歯ぐきからの出血を放置すると、その血液成分(鉄分)などが、口腔内細菌の栄養源となり、細菌がますます増えますので、
『歯肉炎、歯周病予防歯磨き』には、トラネキサム酸が含有されており、それを抑制してくれます。
それとは対照的に歯磨き不足な歯肉炎、歯周病な患者さん。。。
歯周病の患者さんに、1日何回磨いていますか?とお聞きしますと、
『朝だけ1回』とか『朝と夜の2回』の方がほとんどです。
30代くらいまではそれでもなんとかなってきたかもしれませんが、40代以降は3回は最低歯磨きされることが最善です。
そう説明しますと、皆さんいろいろと話してくれます。
『いや~わしゃ~田んぼしようもんで~、歯磨きしよう思うても洗面所がないんよ~~。』とか
『わし、トラックの運転手やから~なかなかなあ~~』とか
『会社なので、トイレで磨くのには抵抗があります。』とか
いろいろ事情はあるみたいなのですが。。。
『できる人は、出来る方法を考えるが、できない人は、出来ない方法を考える』のではないでしょうか~~?
歯磨きできない時は、洗口液で30秒くらい含みうがいをするだけで違いますが、
理想は、歯磨き&洗口液の併用です。
大学5年生だった頃、ポリクリ実習生として大学病院の歯周病科に行くと、毎日患者さんにひたすらブラッシング指導、
歯磨きの仕方や大切さの説明をしていました。その時はあまりその大切さが理解できていませんでしたが、
今は歯磨きをがんばって習慣に磨いてくれている患者さんと、そうでない患者さんの予後の違いに、つくずく、その重要性を実感しています。