🐼山本小学校講演🍚(2015年)~10分~
三宅歯科医院の三宅一恵です。
はじめに少しだけ、わたしの自己紹介をさせて頂きます。
今は、若い方達の間でも88ヶ所巡りが人気で、お遍路をする人が増えてきましたが、
わたしの実家は、3番札所(金泉寺)から4番札所(大日寺)に行く途中の遍路道沿いにあります。
祖父の代から父、そして兄、わたしと、三代続けて歯科の仕事をさせて頂いていますが、
曾祖父(ひいおじいさん)の代までは、酒造業をしていました。
お酒を造っていた時は、沢山のひとの出入りがあったそうです。
ある日のこと・・・お遍路さんが、ちょうどわたしの実家の前を通りかかった時、
二階の屋根から火の手が出ているのを見て、いち早く教えてくださったので、
おおきな火事には至らず、ボヤ程度で済んだそうです。
それからは、前を通りががるお遍路さんに、感謝を込めてお接待をするようになったと、
父から聞いた事があります。
大阪にいる親戚の知人の紹介で、ご縁があり、平成15年に嫁いできました。
昔からよく、讃岐男と阿波女は、相性がいい‼といわれていますが、
毎日、主人と仲良く歯科の仕事、そして山本町の校医をさせて頂いています。
あっ!・・・・余談が長くなってしまいましたが、そろそろ歯の話をさせて頂きます。 (2分)
先日、山本小学校の歯科健診をさせて頂きました。
児童の口腔内を診させて頂き、感じたことは、あごが小さくて、将来、歯並びが悪くなる児童が沢山いるなあ
と思いました。
散歩や運動をしないと、足の筋肉も弱くて発達しないように、
あごも、しっかり噛んであげないと成長しません。噛む力も強くなりません。
今日は、なぜ?歯並びや嚙み合わせが悪くなるのか?
その原因と、それを自宅で予防、改善できる方法を、これからお話させて頂きます。
まだ永久歯が生えていない児童のみなさん、『歯と歯の間にすき間はありますか??』
下の前歯は5歳半~6歳、上の前歯は7歳くらいの時期に、
乳歯よりかなり大きいおとなの歯が生えてきますが、すき間のないぎっちり乳歯では、
正しい位置に歯は並びません!
上のあごは7mm、下のあごは5mmのすき間が無ければ、
2番目の歯が、やがて1番目の後ろから生えてきてしまいます。
今、このような児童が年々急増しています。
なぜ?よく噛む事が大切かと言いますと、よく噛むことにより、
あご、そしてあごを動かしている筋肉が、調和のとれた発達をしますので、
最近よく話題の『顎関節症予防』になります。
また噛むことで『唾液が充分に分泌され、食物の消化を助ける』だけでなく、
『虫歯菌の産生する酸を中和する』効果がありますので、お口の中の健康を保つことにも役立ちます。
さらに、噛むことは、『脳の働きを活性化させる』事までわかってきており、
よく噛むことが、最近特に重要性を持ってきています。(5分)
それから、昔より栄養状態が良くなったせいでしょうか~~??
児童の歯が昔より巨大化して、歯の幅径が大きくなってきている様に思います。
断定はできませんが、最近の歯科の専門書にも、そのような事が書かれていました。
『あごの縮小化に対しての歯の巨大化』??
これが本当なら、ますます歯並びの悪い児童が増えることになります。
次に気になったことは、学校健診で順番を待って並んでいる児童の口が半開きで、
口をきちんと閉じていられない人が沢山居たことです。
いつも口が半開きになっている人・・・( ゚Д゚)
これは、お口の周りの口輪筋が弱い人や、鼻炎、鼻アレルギーで、鼻の通りが悪い人に見られます。
鼻に原因がある人は、耳鼻科の方も受診して、相談されることをお勧めします。
鼻の炎症(鼻詰まり)などがあると、歯並びが悪くなる可能性が高いので、気を付けてください。
それでは、今から、『自宅でもできる唇の筋力を鍛える簡単な方法』を2つお伝えします。
1つ目は・・・毎日風船を膨らますことです。
2つ目は・・・お口をおおきく動かして、『パンダキムチ』という言葉を1日100回繰り返す
という方法も効果があります。
☆彡では、今からわたしが、大きく口を動かして、ゆっくり2回やりますので、皆さんも一緒にやってみてください。
・・・( ^ω^)・・・では・・・・いきます・・・・(*´з`)
『 パ ン ダ キ ム チ 』
『 パ ン ダ キ ム チ 』
これを早口でやりますと、・・・パンダキムチ・・・パンダキムチ・・・パンダキムチ・・・パンダキムチ・・・x100回
保護者のお母様方も、ご自宅でこれを1日100回されますと、顔や首筋が引き締まって、
美容にとても良いと思います。(*^▽^*)
もしくは、本格的に唇の筋肉を鍛えたいなら、歯科医院でトレーニング器具を購入してください。(8分)
最後に、『舌筋のトレーニング』についてお話させて頂きます。
皆さんはいつも、自分の舌を、どこに置いていますか??
舌の先は、いつもどこにありますか??
正しい位置は、上のあごの前歯の少し後ろあたりです。
これが下のあごの方にぺたん!と落ちて下の歯のうしろにある人がいますが、
これを『低位舌』といい、歯並びが悪くなる原因のひとつです。
特に反対咬合(うけ口)になっている人は、
歯のうしろから舌で押さないように、舌を上のあごの前歯の少し後ろあたり
にいつも位置ずけるようにして下さい。
それから、つばを飲み込むときの『ごっくん』
食べ物を飲み込む時の『ゴックン』
となる現象を『嚥下』というのですが、この時に舌が前に出て、歯を押してしまう癖がありますと、
前歯が閉じなくなってしまいます。(開口)
人は1日に何1,000回となく嚥下を繰り返しています。
そのたびに、うしろから前歯に押す力がかかると、前歯がどんどん開いてしまいます。
これを予防するには、舌の筋肉を鍛えて、前に舌が出ないようにすることが大切です。
ご家庭で舌の筋肉を鍛える方法としては、ガムを舌でまん丸く丸めたり、
さくらんぼの枝を結んだりすることも、とても効果があります。
もしくは、本格的に舌筋をトレーニングしたければ、歯科医院で、トレーニング器具を購入してください。
最後に、大切なことをもう一度まとめますと、
歯には常に、唇、頬と舌の筋肉の圧力がかかっていて、
この圧力がバランス良く歯にかかっていて初めて、
きれいな歯並びが形成されるということ。
これが理解できれば、
指しゃぶりや爪噛み、口ポカンや舌なめずりなどの
なにげなく行っている日常の癖が、いかに歯並びに影響を与えているかが、理解して頂けると思います。
今現在、(口ポカン)(つめ噛み)(舌唇嚙み)(舌なめずり)をやっている児童の皆さん!
今日から意識して、その癖を少しずつやめていきましょう。
そしてしっかり噛んで、あごを成長させてください。。。。
みなさんのすこやかなる顎の成長を願っています。(^_-)-☆ (10分)